研修プログラム
1.研修の特徴
当科の研修目標はgood general radiologistを養成することです。
研修医は専門医試験までは放射線診断、核医学、IVR、放射線治療の全分野をローテートします。特定の臓器あるいは特定の医療機器に偏った研修は受けさせません。この教育方針の結果、独立して全身の放射線診療ができる放射線専門医になることができます。
効率的に研修できる環境として、以下の点が挙げられます。
a) 読影は専用端末のレポーティングシステム上に音声データとして登録し、その音声情報をトランスクライバーがPCへ入力します。従って、画像を見ることに専念できます。
b) 最も件数の多い注射業務であるCT、MRI検査の造影剤の注射は医師と看護師が行っています。
c) 読影室にはインターネットにアクセスできるコンピューターがあり、別棟に置かれた医局サーバーとLANで接続されています。PCは医局に4台、読影室に2台、核医学読影室・血管造影室・放射線治療室に各1台が配備されており、各種情報検索が簡単にできます。
臨床研修を行うのは、大学病院がよいのか市中病院がよいのか、という議論があります。大学病院での症例の豊富さ、教育スタッフ(放射線科ならびに院内他科)、医療機器の整備状況などから、当科の臨床研修は昭和大学病院で行います。専門医2次試験の合格前後の約1年間(5年次から6年次の頃)は、関連施設で研修を受ける場合があります。これは、専門医として一般病院で自身の力量を測れる機会でもありますし、異なる環境で異なる内容の研修を受ける利点もあります。
研修修了者は、昭和大学内外の第一線で多くの医療施設に勤務しています。
2.研修の目的とカリキュラム概略
日本医学放射線学会が認定する放射線科専門医試験に合格できる有能な臨床放射線科医を養成することを目的とします。
研修期間は放射線科専門医2次試験までの6年間です(専門医試験は6年次の8月頃なので実質的には5年4ヶ月)。
放射線医学領域にはさらに、日本核医学会専門医、日本IVR学会指導医、日本放射線腫瘍学会認定医、マンモグラフィ読影認定医、の各制度があります。当科の研修プログラムはこれらの資格を取得することにも十分対応しています。
研修医は放射線診断、核医学、IVR、放射線治療の全分野を毎年ローテートします。特定の臓器あるいは特定の医療機器に偏った研修は受けません。研修医の研修内容に偏りが無いよう、また、研修医間で研修内容の不均衡が生じないように、研修医の部門別研修予定を年度の始まりに決定します(例えば、診断6ヶ月、IVR2ヶ月、核医学2ヶ月、治療2ヶ月、等)。やむを得ない事情で前年度に研修期間が不足した部門があれば、翌年度に調整します。
専門医資格を有するスタッフ一同が日常臨床を教育の実践の場として活用しています。そのスタッフから直接指導が受けられます。教育の実践としては、日常診療の他に、朝カンファレンス、昼カンファレンス、医局勉強会、院内他科とのカンファレンス、放射線安全取扱講習、造影剤副作用訓練などがあります。
当科には現在、5名の臨床研修指導医が在籍しています。来年度以降も増員していく予定です。
専門医取得
■放射線科認定医、放射線科専門医(日本医学放射線学会) /6年目
認定医試験:認定修練機関で診断・核医学、治療を2年以上研修する。
専門医試験:認定試験合格後2年以上、診断・核医学または治療を研修する。
■核医学専門医(日本核医学会)/6年目
専門医教育病院で核医学を5年以上研修する。
■IVR学会認定指導医(日本IVR学会)/5年目
IVRに関連する学会の専門医であり、認定修練施設でIVRを2年以上修練する。
注:取得可能時期は後期研修開始後の期間
3.カンファレンス・勉強会等
当直症例検討カンファレンス
月曜日から土曜日の毎朝8時15分から15分間、当直時間帯の検査(主にCT)を医局員と前夜の当直医とで検討します。特に救急症例での検査のやり方や診断方法について教育されます。
朝のカンファレンス
1983年から続いているカンファレンスです。教授から研修医までが平等に担当するこのカンファレンスは、毎朝、当直症例検討カンファンレンス後に15分程度行われます。内容は症例検討、ミニレクチャー、教育DVD放映、学会発表予演会など様々です。症例検討の場合には、実際の症例に即してその読影方法、IVRの適応や手技、放射線治療計画の設定などのトレーニングが行なわれます。自分が担当するカンファレンスの準備自体が勉強になる上、他人の準備したカンファレンスを聞くことは、毎日15分間の教育講演となります。疑問があればその場で自由に質問し、他人に理解してもらえるプレゼンテーションの仕方も自然に身に付きます。当科の教育プログラム上、最も特筆すべきカンファレンスです。
カンファレンスでは液晶モニターで画像が大きく投影されるので、参加者すべてが同じ情報を共有できます。作成した発表内容をPCでプレゼンテーションするだけでなく、診療に使用するViewerとも切り替えることもできます。発表内容はPCでプレゼンテーションするだけでなく、登録され、いつでも過去の内容を確認できます。貴重な症例や、重要な症例の画像、治療内容を詳細な解説付きで勉強できるので、研修医にとっては非常に役立ちます。このカンファレンスは専門医取得後の医師にとっても、自分の専門分野以外の再教育の場として活用されています。
医局勉強会
原則として月に1回、医局で勉強会を行います。他施設の放射線科医または昭和大学の他診療科の先生をお招きし、勉強会を行います。
他科とのカンファレンス
診断部門は脳外科、呼吸器内科・呼吸器外科、泌尿器科、婦人科、小児科・小児外科、乳腺外科と定期的にカンファレンスを行っています。呼吸器、泌尿器、婦人科、乳腺外科のカンファレンスには病理診断医も参加します。
治療部門は耳鼻咽喉科と定期的にカンファレンスを行っています。
IVR部門では毎週月曜日と木曜日にアンギオ・カンファレンスを行なっています。診断血管造影から塞栓、生検、ドレナージまで様々なIVRに関して、検査の適応・他の治療法との比較・予想される合併症などが放射線科医と依頼科医とで討論されます。
その他にも臨床各科からのコンサルテーションには随時応じており、これも研修医にとっては教育の一環となります。
これらのカンファレンスやコンサルテーションを通じて、臨床医が必要とする画像情報は何か、その情報が治療方針決定の決定にどう反映されるのか、IVRや放射線治療は患者治療にどう関与するのか、という生の放射線診療を体験できます。
放射線安全取扱講習
年1回、放射線安全取扱講習があります。放射線生物学、法令、放射線管理、取扱実務に関して講習を受けます。
造影剤副作用訓練
年2回、造影剤副作用訓練があります。模擬患者に造影剤副作用が発生したと仮定して、看護師や診療放射線技師と協同で、初期救命対策、薬剤準備・救急医療センターcallなどが訓練されます。
実際に重篤な副作用が発生した場合には、事後に医師、診療放射線技師、看護師により、訓練の成果が生かされたかどうかが検討されます。
学外のカンファレンス、勉強会
東京・神奈川地区ではほぼ毎日のように各種のカンファレンスや勉強会が開催されています。これらのカンファレンス、勉強会も生涯教育として役立ちます。
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